東京都足立区の建設会社、大和工務店

型枠大工の道具について Episode1

2015/12/18

登場人物紹介

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型枠 大和(かたわく やまと) 19歳 173cm

高校を卒業して型枠大工の世界に入った。今回は型枠大工の道具の説明をする。

 

ラフィネス-2

ラフィネス(らふぃねす) 19歳 167cm

クォーターの美少女。失業中だったが、工具店でのアルバイトが決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私ラフィネス。色々な国の血が混ざったクォーターです。

生まれてからすぐ日本に来たので、日本語はペラペラです。

 

常に美容に気を使っているので自分で言うのもあれですが美人です。

身長も167cmあります。その気になれば美容のお仕事もできちゃいます。多分!

でも、今絶賛失業中なので、知り合いの工具店でアルバイトさせてもらうことになりましたよ!感謝感謝です!

 

「おはよーございます!」

「おはようラフィネスちゃん。今日も元気だね」

おじちゃんに挨拶をしてまずはお掃除です。汚い店内は良くないです。

 

「ラフィネスちゃん、今日おじちゃんちょっとお店あけるけど、お店番頼むね」

「え!?」

お店番…、私まだ入ってから一週間しか経ってないのにそれはまずいです!

「大丈夫大丈夫、今日は多分そんなにお客さん来ないと思うから」

おじちゃんたら能天気です。お客さん来たって、私まだ道具の説明とかできないのに…。

 

「じゃあ、ちょっと出てくるね。夕方までには戻るから~」

そう言い残すとおじちゃんはお店を出て行ってしまいました。

ピンチです。でも、お客さんが来ないというおじちゃんの言葉を信じます!

 

「あの、型枠の道具買いたいんですけど」

きた!初っ端からきた!おじちゃん嘘つきです!

「あ、い、いらっしゃいませ!」

カウンターで固まる私にお構いなく、男の人は近付いてきました。

「あの、型枠の道具ってどこら辺に置いてありますか?」

「か、型枠の道具…?ですか…」

 

型枠ってなんですか!?

 

しばし流れる沈黙。男の人はジッと私をカウンター越しに見ています。

使えない店員とか思われるのは御免です!

「(この子めちゃめちゃ可愛いな…!)」

「あ、あの…すみません、私、まだ入ったばかりで道具のこととか全然分からないんです!」

このまま黙っているわけにもいきません。何となく良い人そうだし、正直に言うことにしました。

「あ、そうだったんだ。ごめんね、自分で探すよ」

男の人は嫌な顔一つせずに、ニコッと笑うとカウンターから離れて店内を探しにいきました。

とは言え、いつまでも分からないで通すわけにもいきません。

店内には私と男の人しかいないので、後をついて勉強することにしました。

 

「ん?あれ?」

後ろから着いてきている私に気付いた男の人が不思議そうに振り返って見てきました。

これでは私、ただの変な店員になってしまいます!

 

「いや、あの…型枠とか、そういうの分からないんで、一緒について行って勉強しようかな…と思いまして!」

店員なのに、お客さんに教えてもらおうと思っているなんて…と思われたかも、と思いましたが、男の人は不思議と嬉しそうでした。

「そっか!いくらでも教えるよ!」

「で、ではまず!型枠って何ですか?」

そんなことも知らないの?と思われそうですが、聞かぬは一生の恥です!

 

「それ、よく聞かれるんだ。世間がイメージする大工ってさ、木を削ったり、切ったりする木造の大工さんでしょ?」

「はい!」

「型枠って言うのは、型枠大工のことで、鉄筋造の大工なんだ。ビルとか、身近なものだとコンビニとかを建ててる大工さんだね」

「そうなんですか!」

ああ、メモ用紙を持って来れば良かったです。ゆとり世代が露呈しました。

 

男の人は私に色々教えている間に型枠大工に必要な道具を次々と見つけていきます。

「道具の説明って…いる?」

「聞きたいです!」

私がコクコクと頷くと、男の人はやっぱり嬉しそうでした。

「じゃあ、まずは型枠を加工するときに必要な道具を説明するね!

まずはこれ!墨壺。僕たち大工や石工の人が木材とかに直線を引くのに使う道具だよ。中に墨糸って呼ばれる糸が入っていて、その糸を引き出してまっすぐに張って、糸を摘まんで放すと、直線がその面に付けられるよ。」

 

「扱いが難しそうですね」

「正確さが求められるからね」

「次は差し金。鋼やステンレス、あとシンチュウ製の直角に折れ曲がった物差しのことだよ!別名、曲尺とも言うよ。どこをどう切ったり、穴を開けたりするかを計る役目があるんだ。」

「なるほどです!」

 

「これは分かるよね!」

男の人が手にしたものを見ると、一般人でも馴染みのある道具でした。

「鋸ですね!」

「そうそう!鋸はもちろん、木材を切るのに使うよ。手動で切るものと、機械的に電動で切るものがあるよ」

「ほうほうです!」

「そしてこれは…じゃじゃーん!よく大工さんと言えば連想される鉋!木材の表面を削って平らにするよ」

「よくテレビとかで大工さんが持っていますね!」

「これはあまり馴染みがないかもな。錐!材木とかに穴を開けるのに使うよ」

「確かに素人にはあまり馴染みがないですねぇ」

「あとは、釘締め。釘を打ち切っても材木に釘を食い込ませたいときとか、入隅に釘を打つときに使う道具だよ。別名はへしこみ!ポンチと形が似てるんだけど、別の道具ね」

「ふむ」

「最後は、電動ドリル!あまり説明することはないかな。その名の通り電動の捻子回しだよ」

「おぉ!他にはないのですか?」

「もっとあるよ!ただ長くなるから、型枠建込の時に使う道具はまた次のお話で説明しようかな。」

「大人の事情ってやつですね!」

 

 

 

2話につづく