東京都足立区の建設会社、大和工務店

不思議な夢のお話 Episode3

2015/12/01

大和「前回までの過程は理解できたかな?

次は加工!加工図を見て、材料を加工場で無駄が出ないように切断して、組立てていくよ。

パネルや柱型・梁型・補助などを作るんだ。」

 

足場「無駄がないようにか…難しいな」

 

大和「加工が終わったら次は墨出し。

施工図面を見ながら、現場で型枠を組立てる柱、壁などの位置を床に線や印で示すことだよ。墨だしには、基準、仕上げ、レベルなどがあるよ。」

 

雷電「なんで墨出しって言うの?印付けとかじゃダメなの。」

 

大和「墨出しって言うのには理由があって、一般的に線や印を付けるのに、墨壺を使うことから墨出しって呼ぶようになったんだ。」

 

雷電「ちゃんと理由があるんだね。」

 

大和「次は遂に建込!実際に組み立てていくよ!

加工しておいた枠を墨出しした墨に合わせて、組み立てていくよ。

型枠は精度と強度を必要とされるから、水平、垂直、レベルを組立中は常に確認する必要があるんだ。型枠工事の出来具合が、建物全体の出来具合を決定する凄く重要な仕事だね。」

 

足場「そんなに重要なことだったんだな…。」

 

大和「そうだよ。だから鉄筋コンクリート造の建物を型枠なしで作ろうなんて言語道断。

カレールーのないカレーのようなものだね。」

 

足場「は?」

 

大和「カレールーのないカレーはカレーじゃない。つまり、型枠のない鉄筋コンクリート造の建物は建物じゃないってこと!」

 

鉄骨「あ、そういうことか。」

 

大和「そういうこと。

組み立てが終わったら、次はコンクリート打設。

コンクリートを型枠に流し込んでいくよ。ドキドキだね。コンクリートっていうのは、流動性があるから、型枠に結構な側圧がかかって型枠がズレる事があるんだよね。」

 

鉄骨「じゃあ、どうすれば良いんだ?」

 

大和「その間は、型枠大工は常に型枠の点検を行う必要があるよ。」

 

鉄骨「うおぉ…、大変だな。」

 

大和「さて、型枠の中に流し込んだコンクリートが固まったら型枠を取り外す作業に掛かるよ。

所謂解体作業! この作業が完了すると、型枠工事の完了だよ。

そこからは仕上げ工事が開始される。」

 

雷電「へぇー、型枠大工って結構奥が深いんだね。」

 

大和「でしょ!

まぁ俺はまだ型枠大工の新米で、知識しかないんだけどね。」

 

足場「じゃあ、お前はまだ型枠作ったことないのか。」

 

大和「新人だから、加工場の釘打ちしかまだやったことないんだよね。いろいろ説明した割にはさ…。」

 

足場「なに言ってるんだよ、釘打ちだって立派な仕事だろうが。

それで落ち込むなんてお前変な奴だな。」

 

大和「…!そっか、そうだよね。」

 

その言葉に励まされた。

型枠大工として、今の会社に就職したけど、ずっと型枠とは遠い作業をさせられて…心のどこかで、俺はこの現場に必要ないんじゃないかとか思って。

 

でも、加工場で釘を打つ人がいなかったら…?

そうだ。自分がやりたいことと、求められていることは必ずしも同じではないんだ。

必要とされていないだなんて、なんて馬鹿なことを思っていたのだろう。

 

鉄骨「よし、この機会に型枠作って鉄筋の建物建ててみようぜ!」

 

大和「え!?たった4人で!?」

 

無茶な提案に心がざわついた。

 

 

 

 

4話に続く…